「わたしの声 と みんなの声」プログラム
すべての人が可能性を最大限に伸ばすために
一世代の価値観が変われば、社会は変わります。
少女たちは、女性というだけで差別的な暴言や扱いを受けています。
その場面は、公共の場所、メディアやインターネット、そして学校など、日常生活の中にあふれています。少女に対する暴力は、身体や心、人間関係、学校生活、そして将来に影響を与え、彼女たちの尊厳を奪います。
差別や暴力の被害を受けるのではないかという不安に怯えて暮らすことは、少女たちの人生に計り知れない影響をもたらします。多くの少女は、日常的に「女の子だから~しなくてもいい」「女の子は~できない」というメッセージをさまざまなところで受けています。
性別によってどうあるべきかという価値観を押し付けられると、それは彼女たちの中で当たり前になり、何かに挑戦する気持ちにブレーキがかかります。「しかたない」「たいしたことはない」そして「悪気はなかった」としてこれまで見過ごされ、問題とされなかったことに向き合うことが必要です。
ガールスカウトでは、「参加型で学ぶジェンダー教育」でこの問題解決に挑戦しています。
ジェンダー平等を目指すための年代別教育プログラム
子どもの発達段階に合わせた、必要な教育をワークショップ(参加型学習)形式でおこないます。このプログラムは、知識を中心に教え込む従来の学習形態と異なり、どの発達段階においても自ら考え、話し合いなどの体験を通して学びます。
教育プログラムが目指すもの
01.知る
ジェンダーの不平等に起因する問題について理解し、自らの権利を学びます。
02.声をあげる
同年代同士で、問題解決のために行動を起こせるようになります。
03.そなえる
自分や友達が差別や暴力に直面したときにそなえ、スキルを高めます。
6つのステップと学習成果
プログラムの一部をご紹介します。
小学校低学年・高学年向けプログラム
この年代の少女でも、「女の子なら~」というジェンダーの偏りがみられ差別や暴力の影響を受けています。子どもたちが安心して学べるように、イラストを用いたワークやアクティビティをおこないます。
中学生・高校生年代向けプログラム
中学生・高校生たちは、ジェンダーや差別に深い関心を持っています。
視野が広がり、抽象的で複雑なことであっても考えることができる年代です。この年代だからこそ、ジェンダー平等というテーマに取り組むことに大きな意義があります。
18~25歳 大学生年代と若い女性向けプログラム
大学生になると、アルバイトや就職活動、サークル活動などで行動範囲が広がり、さまざまな立場の人と接することが増えます。そこで性的な嫌がらせや不平等に遭遇しても、それにどう対応していいか分からないケースも多く見受けられます。就職、結婚、出産とライフイベントを多く控え、自分の人生設計をより具体的に考える年代でもあります。
ジェンダーの構造を考えるアクティビティを通して知識を身に付け、自分の価値観に向き合います。またセクハラや性暴力から身を守るための知識や対応策を学びます。
大人が理解し、取り組みを進める
保護者や教師、地域社会の理解を
身近にいる大人は、子どもたちのジェンダーバイアスに影響を与えています。そして、大人もまた、これまでの人生でジェンダーに偏りのある価値観を無意識に受け取っています。子どもの可能性を妨げないためにも、子どもに接する大人にぜひ体験していただきたいです。
2時間のプログラムを体験できます。詳細や実施についてのご相談は、お問い合わせください。
参考
このプログラムは、ガールガイド・ガールスカウト世界連盟が、2012年から世界中で呼びかけているStop the Violence-Speak out for girls’rights(少女に対する暴力をなくす)キャンペーン(英文)の一部として取り組むものです。私たちは、少女と女性の可能性を伸ばすために、そしてそのことを妨げるものを取り除くためにこのプログラムに取り組みます。