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ニュース&レポート

2016年3月11日2016.3.11を迎えて


「いざという時の為に知っておきたい~地域の防災♥地域の安心~」
このようなタイトルをつけた学習会のお知らせが、今年に入って区内の各家に配られました。自然災害や地震が起きたときのために地域ではどのような対策が取られているのか。自分たちにできることは何か。そんな視点で一緒に学びましょう、という趣旨でした。

チラシには、子どもが独りでいるときに大地震が起きたら? を考える「子ども防災スクール受講生(保護者と子ども)の募集」も載っていました。
思い出すのは私が独りで留守番をしていたときの怖い体験です。小学校1年の夏休みのこと。急に日が陰り、空気が冷えて来て、せみ時雨がやみ、雷が鳴り出すと雨も降りだして耳をつんざく音とともに稲妻が…。そのとき、6歳の子どもが取った行動は、お隣に駆け込むことでした。心細さと恐ろしさに泣きべそをかきながらした精一杯の判断は「人が居る所に行こう」でした。

被害を出さないようにするにはどうすればよいかを考える「防災」。それに加えて、被害の発生をある程度予想したうえで、その被害を最小限に抑える「減災」という考え方が浸透してきています。東日本大震災以降も、規模の差こそあるものの各地で起きる自然災害や事故。どこでも被災地になる、誰でも被災者や被害者になる可能性を認識し、それに対して備えよう。明日は我が身であり、決して他人事ではないと意識することがその第一歩と位置付けています。

3.11から5年。復興も道半ばでありながら、この国には次の災害に備えなければならない現実があります。今に始まったことではなく、以前から大事が起きるたびに、気の遠くなるような再建の道のりを歩んできました。日本に住む民として日本人が長い歳月をかけて培ってきたこと。絶望を希望につなげる望みの糸。何事もないときにこそ心しておくべきこと。技術や物の備えと同じように大事なもの。支え合い、助け合う心。それを心に刻み、3月11日を迎えます。

公益社団法人ガールスカウト日本連盟 会長 浅野万里子

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