おかげさまで日本のガールスカウト運動は100周年を迎えました
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AMBASSADOR 02

一言では言えないのがガールスカウト
何をやってもいいのがガールスカウト

近藤 春菜
(ハリセンボン)

ガールスカウトの若者2人と和田照子会長が近藤春菜さんにお会いし、ガールスカウト100周年のテーマ「Challenge、Change、For her world」をキーワードにインタビューしました。ガールスカウト時代の思い出から始まり、チャレンジしてきたことや女性の芸人としての思い、そしてこれからのガールスカウトへの期待などについて、笑いを交えながらお話をうかがいました。

小学生のときは、毎週日曜日は絶対ガールスカウト!

インタビュアー:左から河村幸音(奈良県第51団)、山田真子(埼玉県第7団)右端:和田照子日本連盟会長

- ガールスカウトではどんな活動をしていましたか?

東京都狛江市のガールスカウトで活動していました。小学生のときは、毎週日曜日は絶対ガールスカウト! という感じでした。夏は毎年キャンプに行って、ハイキングに行ったり竹でテーブルを作ったり。ロープワークも「えび結び」などを練習しました。外国のガールスカウトと交流したり、市民まつりでは鼓笛隊としてパレードに参加したりしました。

- 楽しかった思い出は?

よく覚えているのは、グループごとに新聞紙で世界各国の民族衣装を作ってコンテストをしたこと。それで世界の文化を知りました。みんなで一つのことに取り組むことが楽しかったですね。キャンプ料理も楽しくて、習った料理を家で作っていました。普通経験できないことをできるのが、ガールスカウトだと思います。
それから、ガールスカウトってその日初めて会った子と、いきなり一緒に遊んだり泊まったりしますよね。私はとても人見知りだったので、ガールスカウトで鍛えられて人見知りが治ったと思います。

毎日生放送でとても緊張しますが、ガールスカウトのおかげだなと思う

- お仕事にガールスカウトの経験が役立っているなと感じることはありますか?

それはとても感じます。ガールスカウトでは必ず人前で発表する場面がありますよね。前に出て言わなければいけないときに、最初はもう緊張して嫌でしたが、だんだん場数を踏むから慣れてきて。それがいまにもつながっていて、毎日生放送でとても緊張しますが、ガールスカウトのおかげだなと思うことはあります。私の団は一緒に前に出てやる子も多かったので、だいぶ刺激を受けたと思います。
あとは、アウトドアロケで火を付けるときに「私ガールスカウトだったんです」と、得意気にできるし、ガールスカウトソングを歌うとウケるので、そういうところでも、ガールスカウトは役立っていますね(笑)。

芸人になることは、今までの自分の中で一番大きなチャレンジ

- 春菜さんがこれまでチャレンジしてきたことはありますか?

芸人になることは、今までの自分の中で一番大きなチャレンジでした。小学校や中学校で、人が笑ってくれることに一番快感を覚えたことがきっかけです。ガールスカウトでも友達と一緒にふざけていたらみんなが笑ってくれて、それが一番楽しいと思うようになりました。学校でおもしろいクラスの男の子に対して、悔しいなと思うようになって、中学生のころから芸人になりたい、と意識するようになりました。でもオーディションを受ける勇気もなかったし、ネタをどうやって作れば良いのかも分からなかった。親から反対されるのではないかと不安が大きくて、二十歳くらいまで、モヤモヤとした時間をすごしていました。
実は一緒にガールスカウトをしていた一つ年下の子に誘われて、高校生のときにコンビを組みました。でも何をしたらよいか分からなくて、特になにもすることなく過ごしていたら、その子が他の人とコンビを組んでオーディションに受かっていたんです。そのときにすごく「やばい!」と思って。こうやって行動を起こしている人がいるのに、自分はどうしよう、とすごく焦りを感じました。それで自分のチャレンジとして、よしもとの養成所に入って、一から学びました。養成所でも目立たない存在だったら、もう世にも出ていけないだろうと。
ガールスカウトの子と一緒にやっていたことや、人前に出ることにガールスカウトで慣れていたということが、とても大きく影響したと思います。それが最大のチャレンジで、いまもチャレンジ中ですね。

怖がって何も起こさないよりも、自分がこうと思ったことを

- ガールスカウトは社会を変えるために声を上げていきたいのですが、お仕事柄、自分の思いを伝えるという点で、どんなことを意識していますか?

今はSNSがあって世界に発信できるけれど、ネガティブなことを言われて傷ついて、声を上げられないこともありますよね。テレビ番組では一つの出来事に対して、自分の立場だけではなく、いろいろな人の思いや立場を考えなければいけないから、一個人の意見は言いづらいところがあります。
でもある人が、私がテレビで言ったことに対して批判的な意見が出たときに、「良いじゃん」と言ってくれたんです。批判されたということは、私“春菜”のなかにある意見が出たからこそ、それに対して思うことのある人がいたということだから、自分の意見が言えた証拠だよね。当たり障りのないことを言って何も起こらないよりも良いよねって。
怖がって何も起こさないよりも、自分がこうと思ったことを言うことがまず大事。怖がらないことですよね。100人いて全員に100%理解してもらうことは無理なこと。育ってきた環境や考え方で意見はまったく変わるので、「こういう人がいるんだ。」と受け入れることと、自分が思ったことをまず声に出すこと。それがなければ何も動かないと思います。
私は芸人になるとき、ものすごく不安でした。人に自分の夢を言うことはとても怖かった。けれど、それよりも「好き」「やりたい」が勝ったんですね。だったら行動にうつさないと。よく言いますけれど「やらない後悔よりやった後悔のほうが良い」と私も思って、行動にうつすことができました。だから、本当に「怖がらないで自分を信じてね」ということですね。「こういうことやりたい」と思っているイメージを自分にさせてあげる。自分を信じてあげる。自分はできる、この場に行くんだって信じてあげるのが大事だと思います。

「他人は変えられない。自分が変わるしかない。」ということ

- やりたいことはあっても周りの目が怖かったり、一歩踏み出すのに躊躇してやらなかったりする人に対して、できることはあるでしょうか。

これも人から学んだことですが「他人は変えられない。自分が変わるしかない。」ということです。自分が夢に対して行動を起こしていたら、その友達には絶対刺激になると思いますよ。「私は何をやっているんだろう」って。友達が行動する姿を見ると、焦るし、尊敬するし、互いにとっても良いと思います。

できる・できないを女性だからという理由にしたくない

- これからのガールスカウトに期待することや、女性が力を付けて変化を起こすことについて考えがあったら教えてください。

これからのガールスカウトはもう、今までどおり楽しく(笑)。でも社会を変えていく活動もしていただけたらいいなと思います。多様なジェンダーがある中で、ガールスカウトに関わりたいと思った時点でもう、みんな「ガールスカウト」で良いのではないかと思いますね。いろいろな人を巻き込んで、ガールスカウトだからこれはできないとか、最初からそういう思いを持たずにやってほしいと思います。
今は女性だということを利用してもいいと思います。芸人は男性のほうが多いので、女性の芸人は「芸人」ではなくて「女芸人」って言われることが多いです。「やっぱりまだ差があるんだ」と感じることがあります。でも、逆に私はそこを利用したいというか、女であることで目立てるなら、それをうまく利用したいなとも思います。うまく付き合っていけたらいいなと思いますね。いつかは男女の差がない「芸人」として同じように笑ってもらえるのが一番だと思います。できる・できないを女性だからという理由にしたくないですね。できなかったとしたら自分のせいで、女性のせいじゃない。できても自分のせい。そういう時代になったらいいなと思いますね。

よく「ガールスカウトで何をしていたの?」と言われるけれど、ガールスカウトってキャンプ以外にもいろいろなことをしていて、一言では言えないですよね。でも一言では言えないのがガールスカウトであって、何をやってもいいのがガールスカウトなのだと思います。「ガールスカウトはこれをする」って幅を決めないほうがいい。地域でやっている小さい川でもやがて大きな海に続いているのがガールスカウトだし、形がないのがガールスカウトだと思うんですよね。自分がやりたいこととか挑戦したいこととか、「何でもできるんだよ」ということを、ぜひ皆さんに知ってもらいたいですね。

(一同)
お話をうかがって、もっと頑張ろうって思いましたし、とても勇気付けられました。躊躇したときには、「自分を信じて行動で示す」という言葉を思い出したいと思います。私たち自身が声をあげていかなければいけないと思います。ありがとうございました。

プロフィール

ハリセンボン 近藤春菜(こんどうはるな)
1983年2月23日生まれ。東京都狛江市出身。吉本興業。NSC東京9期。
2003年に箕輪はるかとお笑いコンビ『ハリセンボン』を結成。日本テレビ「志村どうぶつ園」、TBS「モニタリング」などのバラエティ番組に出演するほか、情報番組「スッキリ」のMCも務めている。また、朝ドラ「花子とアン」や大河ドラマ「西郷どん」等俳優としてドラマ出演もあり、多方面で活動をしている。

ガールスカウトには東京都第22団に、小学校1年生から短大まで13年間在籍。短大生のときには「ヤングリーダー」も務めた。

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