ジェンダー平等の実現なしに持続可能な開発目標(SDGs)の達成はできないと考えるユースチームが実施したジェンダーに関する調査
2022年12月に発行した調査報告書の一部を抜粋してご紹介します。
はじめに
調査のはじまり
ガールスカウトでは、2020年に4人のユース実行委員が集まり、「ジェンダー」に関する女子大学生調査を実施しました。このときの調査では、以下のことが明らかになりました。
- 女性は人生の選択の可能性を狭められていること
- 多くの女性は性的な嫌がらせや性差別を受けたことがあること
- 女性のあり方はメディアから大きく影響を受けていること
2020年に実施したジェンダーに関する調査から2年が経ち、調査をおこなったときから、社会では大きな変化がありました。例えば、ジェンダーという言葉が、社会でより認知される出来事がニュースなどで取り上げられることが多くなりました。また、コロナ禍では、女性が置かれている社会の現状や課題が浮き彫りになりました。これら社会の現状から、2020年のユース実行委員は新たに調査をおこなう必要性を感じ、新しくメンバーを募集しました。そして、10代・20代のメンバー8人が「私たちも調査を実施したい」と集まり、今回の調査を実施しました。
調査の目的
18~25歳の女性が社会で置かれている立場や意識を明らかにすること
仮説
調査を実施するにあたり、まず、ジェンダーに関して日々感じていることを話し合いました。その結果「女の子だからと一括りにされている」「身体的な理由で生きづらさを感じている」という意見が多数出ました。
そこから私たちは以下の仮説を立てました。
- 人々は、家庭、学校、メディアから無意識のうちに影響を受け、性別による固定観念を植え付けられている。
- 生理や妊娠・出産など個人差のある身体的理由で、心理的・経済的・社会的に生きづらさを感じるのは、教育に課題があるからだ。
想い
生理についてオープンに話せるようにしたい
生理は女性にとって日常的にあるものなので、生理について話すことに抵抗感を持たず、誰とでも話せるような気持ちでいてほしいと思ったからです。生理のことで傷つく人がいない社会になってほしいという思いから、生理についてもオープンに話せる社会にしたいと思っています。
避妊アイテムを準備することに-(マイナス)なイメージを持たないでほしい
性に関することも女性自身が自己決定できることが大切だと考えます。その1つとして、避妊アイテムを自分が準備し、自分を守ってほしいと考えます。避妊アイテムを備えることをタブーとせず、女性たちに自分の身を守る方法を知ってほしい、パートナー間で話し合える関係を築いてほしいと考えています。
そんな私たちの想いを込め、表紙には「デイジー」という花をあしらいました。
花言葉は「ありのまま」です。
調査概要
調査対象: 全国の18~25歳の女性
調査期間: 2022年3月18日~4月30日
調査方法: インターネット回答 全45問
回答者数: 491人(ガールスカウト会員211人 43%、一般280人 57%)

- 掲載に当たり、自由回答形式の質問に対する回答は、一部表現を整えています。回答の本旨を尊重、反映できるように配慮しつつ必要に応じて言葉を追加したり、要約しているものもあります。
- 数の処理について:構成比の割合は、小数点以下を四捨五入しているため、合計は必ずしも100とはなりません。
緑:調査に関するデータを示しています。
青:オンライントークイベントで得た情報や外部のデータ引用を示しています。
オンライントークイベント開催について
01:女の子のイメージはどこから?
女の子/女性らしさについて
私たちは、「女の子らしくしなさい」「女性らしくていいね」という言葉を聞くことがあります。この言葉は時に女性が「その人らしく」生きることを妨げる要因になると考え、「女の子らしさ/女性らしさ」という言葉について、今回の調査で質問をしました。
この章では、「女の子/女性らしさ」のイメージを作る原因やそれによる影響を場面ごとに分け、分析したものをご紹介します。
調べてみると、女性たちは何らかの「~らしさ」を、幼少期から連続的に周りの環境によって刷り込まれていることがわかりました。

この質問で回答された言葉を多い順に表示してみると、「しとやか」「可愛い」「柔らかい」「綺麗」といった言葉が多いことがわかりました。また、「料理」「家事」といった役割に関する言葉や、「スカート」「メイク」といった見た目に関わる言葉もあります。
調査対象の女性たちが「女性らしさ」と聞いて、ふるまい方はもちろん、役割や見た目についても固定されたイメージを持っていることがわかりました…
続きは、全文をダウンロードしてお読みください。
概要:18-25歳対象 ジェンダーに関する調査報告書2022
18~25歳の女性が社会で置かれている立場や意識を明らかにすることを目的に、10代・20代のガールスカウトが調査をおこない、まとめたものです。
主なテーマ:女の子のイメージはどこから?/ライフイベント(出産後の仕事・育休)/生理って恥ずかしいモノなのか/避妊アイテムって誰が準備する?
発行:2022年12月
定価:1,000円+税
調査報告書制作・協賛
マイクロン女性リーダーネットワークメンバー


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