国際女性デーイベント 「私たちの世界、私たちの平等な未来」実施レポート(その1)

わたしたちの活動#国際女性デー,#自然とともに,SDGs,ジェンダー平等の実現

3月5日(土)、ガールスカウト日本連盟は、国際女性デー(3月8日)を記念してオンラインイベントをおこないました。

国際女性デーは、世界中の女性の権利を守り、女性の活躍を支援するために世界中で祝われる記念日です。ガールスカウトでは、日頃からSDGsのうち特に目標5「ジェンダー平等を達成しよう」に向けての取り組みを進めています。
今回のオンラインイベントは、「国際女性デー」を盛り上げ、女性のエンパワーメントとジェンダー平等の実現に向けて、「環境問題」「防災」「健康」の3つのテーマでプログラムを実施しました。当日の様子を3回に分けてご報告します。

第1部「環境問題とジェンダー」

環境問題は世界中の人間、そしてすべての生き物に影響を与える大きな問題です。みんなが自分自身のこととしてこの問題に向き合う必要があります。そのために、「自分は何ができるのか?」ということについてヒントを得るため、環境活動家として活躍されている、露木 志奈 さんにお話をうかがいました。

 

環境活動家の露木 志奈さん

講演のトピックス

  • 高校の3年間、インドネシア バリ島のグリーンスクールへ留学
  • 授業で肌荒れを起こさない化粧品づくりの研究をおこない、「ナチュラル」と銘打たれていても明確な基準がないこと、バリ島に漂着するプラスチックごみのこと、化粧品やお菓子に使われるパーム油を栽培するために熱帯雨林が激減し、それが地球温暖化にも影響していることなどを学び、一つの商品の背景には、たくさんの大きな問題がからみあい、つながっていることに気付いた。
  • 二酸化炭素の排出量を減らすというとても大きな課題に、個人では何もできないと思ってしまうけれど、過去から積み重なっていま大きな問題になっているので、解決のためにも、小さな積み重ねが大事だと納得できた。
  • そこで環境について日本の大学で学び、特に若い年代に環境問題の意識をもってもらいたいと、講演活動を19歳から開始し、現在24,000人にメッセージを伝えている。

ちりばめられたたくさんのキーワード

露木さんのお話には示唆的なキーワードがたくさんありました。

  • 「人に良いものを作る」だけではなく、作る前、そしてその商品がどう処理されるのかも考えないといけない。
  • 「誰も環境破壊したいと思っていない」
  • 解決に向けて「自分という小さな世界を変えること」
  • 世界を変えるムーブメントは100人のうち3~4人が行動を起こすことで変わる

大質問大会 露木さん×高校生

お話を聞いた後、ガールスカウトの高校生2人が代表して、露木さんにたくさんの質問をしました。

家庭でできる環境への配慮として電気をグリーンエネルギーに変更すること、もし国のトップだったら気候変動への対策に力をいれたいこと、コスメブランドの起業のしかた、環境問題に関する情報を得るための方法など…さまざまな質問に回答をいただき、私たちの行動へのヒントをいただきました。

特に、今回テーマにもなっている「環境問題とジェンダー」についての質問に対しては、気候変動の影響を受けるのは世界の50%を占める貧困層であり、さらに女性と子どもであること。気候変動による災害などが起きたとき、体力がなく逃げ遅れたり、助かっても安全な環境ではない状況で性的被害を受けてしまうといった事例が多くあることなど、気候変動の問題でも女性はジェンダー不平等による被害を受けやすいことが見えてくるというお話をしていただきました。

高校生たちのたくさんの質問に回答いただく露木さん

店頭で販売されている商品一つとっても、その商品が手元に来るまでの背景を調べて、環境問題を解決するために、自分の世界と行動を変えていく勇気を持つことが大切だということを、露木さんのお話から学ぶことができました。

質問した高校生と司会のユースの感想

  • 露木さんの講演から“何かを始めるのに大人になるまで待たなくていい”ということを学びました。まだ未成年だから、と自分から行動を起こすのをためらっていたなと思います。しかし、この講演を機に、高校生の私でもできることを見つけチャレンジしてみようと思うようになりました。また環境問題の解決は性別により取り組めないというものはありません。だからいろいろな人と関わって小さなことから取り組んでみよう思います。
  • 私は高校でSDGsや世界のことを学んでいて、環境問題について学んでいるけれど、どう自分が行動したらいいのかとか、生活の中でどうしていけばいいのかということがとても疑問だったので、質問にたくさん答えていただいて、これからの自分の生活に生かしていきたいと思いました。
  • 「自分という小さな世界を変えることから始める」という言葉が本当に心に残っています。ペットボトルやプラスチックを結構使っているので、少しでも減らしていけたらいいと思いました。高校3年間留学されていたことも、自分でもやってみたいなという気持ちになりました。

 

ガールスカウトではジェンダー平等実現を目指し、学習プログラムを提供しています。

SDGs 目標5 ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーに関する意識調査報告書