性別役割を決めつけない社会の実現を。

わたしたちの活動SDG5,SDGs,ジェンダー平等の実現,少女たちの声,調査報告,高校生の声

2019年度にガールスカウト日本連盟が発表した「ジェンダー」に関する女子高生調査。
調査から見えてきたことを、衆議院議員やジェンダー平等の問題に関心を持つ人々に発信してきた二人の高校生ガールスカウト(当時)が、2回に分けてその思いをお伝えします。
2回目は、鈴木榛香さん(現在は大学生)です。

院内集会で参加者の大人と意見を交わすガールスカウト

アンケートに答えながら気づく自分の「思い込み」

私は、女子高校生アンケートに回答しながら、自分自身の「思い込み」に気づきました。例えば、それは「色」や「職業」についてです。女の子は赤、男の子は青。職業には、性別によって適したものがあると思っていました。でも、それは違いました。

何も言わないと「当たり前」のままになる

私はこれまで「ジェンダー」について、友達と意見を交わすことはありませんでした。また、そのような授業もなかったように思います。
しかし、2019年に衆議院議員会館で調査の結果を発表する機会に恵まれ、この取り組みについて学校に報告したところ、校長先生より全校生徒(中高生)に発表の機会をいただきました。それを機会に、友達とも社会の中にあるジェンダーに関する問題について話をすることが増えました。また、英語の授業ではSDGsをテーマにジェンダーについて考える時間もできました。
私の中にも固定観念がありますが、おかしいなと思ったことを声に出さなければ、今の当たり前は、当たり前のままです。だから、私はこの問題をなるべく同年代に伝え、一緒に考えたいと思っています。気づいてないことには、突っ込んで聞いてみる、意見を伝えていきたいです。

価値観は「十人十色」

もう一つ分かったことは、人の感じ方や考え方は「十人十色」だということです。自分の周りだけでもたくさんの価値観があふれています。だから、社会にはもっと多様な考え方があふれているのだということも想像できます。また、自分の中の固定観念に気づいたときは、あまり自分を責めずにこれからの行動を考えてほしいと思います。
これまでの経験を通して私が大切だと感じているのは、異なる考え方を持つ人を否定するのではなく理解し、認め合うということです。多様な人と共生できる社会を目指したいです。

性別役割を決めつけない社会に

現在私は、大学で幼児教育を学んでいます。将来、社会に出て子どもたちに接する職業に就いたとき、固定観念を押し付けることがないように気をつけ、子どもや保護者とのかかわりを大切にしたいと思っています。特に親世代の価値観は、子どもたちに大きな影響を与えると思っているので、「性別役割を決めつけないでほしい。」と伝えたいです。
人の考え方は多様で、世の中にあふれる情報は一つではありません。自分で判断し、選択していかなければなりませんが、「もしも自分がやりたいと思ったら、やりたいことができるんだ。」ということ伝えていきたいと思っています。

ガールスカウト日本連盟発行『「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2019』より
9割の女子高校生は「4年生大学進学や理数系教科学習は必要ない」と言われていないにも関わらず、6割は「女の子は料理ができた方がいい」と言われています。そして、それは母親に多く言われているという結果が出ました。子育てで「女の子らしさ」を要求されている一面が見てとれます。

「声をあげる」は、難しいことなのか

「声をあげる」というと、すごく難しいように感じる人もいるかもしれません。そんな人は例えば、人とのかかわりの中で、他者に対して自分の考えを伝えるのはどうでしょうか。
それも「声をあげる」「声を届ける」ことの一つになると思います。まず、そんな小さな行動からでも始めてほしいと思います。

調査報告をするガールスカウトたち

 

1回目の記事はこちら ジェンダー平等の実現は、まず違和感を話すことから。


少女や女性が生きやすい社会は、誰もが生きやすい社会

彼女たちの声にあるように、この問題に取り組めば、人々の価値観は変わり、社会は確実に変わります。ガールスカウトでは、少女たちとともにこの問題に取り組んでいきます。

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ガールスカウト日本連盟 ニュース&レポート

読売新聞教育ネットワークにも掲載されました
【SDGs@スクール】「男女の役割」問い直す(2020年6月16日)

 

 

 

「ジェンダー平等実現」に関するガールスカウトの最近の取り組み

  • 2019年3月〜4月 ジェンダーに関する女子高校生アンケートを実施
  • 2019年5月 「みんなの声を届けよう!」*ワークショップを開催。
    参加者(高校生、大学生)は、学校などでさらに友達にインタビューするなどし、アンケートの結果は自分の身の周りにもあることなのか調べ、まとめた。
  • 2019年6月 衆議院会館で院内集会を開催。国会議員や大学生、中高生、たくさんの大人たちを前に現状の問題点を伝えるとともに、具体的な改善案を提案。
  • 2019年8月 埼玉県の女性会館で開催された「男女共同参画推進フォーラム」のJAWW(日本女性監視機構)にて、女子高校生の声と解決策について伝えた。
  • 2019年10月 アンケートの結果や私たちの分析と声は、「ジェンダー」に関する女子高校生調査報告書2019として国際ガールズ・デーに発行。
  • 2019年12月〜2020年1月 大学生年代の女性を対象にジェンダーに関するアンケートを実施
  • 2020年6月27日 オンラインイベント ジェンダー×じぶん「大学生の声からみんなで考えてみよう!」を開催(大学生年代の女性を対象にしたジェンダーに関するアンケートの結果を発表)

『「ジェンダー」に関する女子高生調査報告書2019』を見る(ガールスカウト日本連盟発行)
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「ジェンダー」に関する女子高校生調査を、2020年度も実施しています。

女子高校生アンケート2020詳細

この活動については、このブログでも随時お伝えしていきます。