女性のリーダーシップを育む場所~ジェンダーギャップ指数2023発表によせて

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世界経済フォーラム(WEF)が調査している、世界各国のジェンダー平等達成度を指数にした「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2023が、6月21日に発表されました。日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で、G7中では最下位という残念な結果になりました。世界的に進展のペースは鈍化しており、ジェンダーパリティー(ジェンダー公正)の達成は2145年になるとの驚きの数字も示されました。

日本の教育・経済・健康・政治の4分野別スコア(0が完全不平等、1が完全平等で数値が小さいほどジェンダーギャップが大きい)と順位は、特に政治と経済の分野が深刻なものでした。

政治分野は、国会議員(衆議院議員の男女比)は0.111(131位)、閣僚の男女比は0.091(128位)という結果から、世界各国と比較して日本の政界には女性議員が非常に少ないということが分かります。これは、政策に女性の意見が反映されにくいということでもあります。

経済分野では、特に推定勤労所得の男女比(0.577、100位)、管理職的職業従事者の男女比(0.418、133位)が足を引っ張っています。

ここ何年も女性の活躍のための施策は推進されていますが、決定権や発言力のある立場にはまだまだ女性が少ないのが現状です。

ユース年代の女性たちの声

今回のジェンダーギャップ指数の発表を受けて、ユース年代(18~25歳)のガールスカウトたちが感想を送ってくれました。

・「順位が下がったこと」より「スコアが上がっていないこと」が問題なように感じます。
・未だに閣僚の男女比に大差があることや、衆議院の女性議員比率が1割に留まっているという点で、意思決定の場に女性の意見を持ち込むことが出来ずに女性が十分に配慮されない男性中心の政治がおこなわれてしまうのではないかと不安に思います。
・政治家や管理職のなり手がいないという問題があると聞きます。そこに至るまでの子育て/教育過程で無意識に、リーダシップをはぐくみ発揮する機会が奪われ続けているのかもしれません。「私なんて…」という女性が多いように思います。

こうした意見は2022年に実施した、ガールスカウト会員と一般の18歳~25歳を対象とした「18 – 25歳対象 ジェンダーに関する調査報告書2022」
でも聞かれました。

調査結果から

【学校でのジェンダー】

「女性はこうあるべきという女性像を形成していると思う」59%。
リーダー役を担うのは男性という流れがあるという声がありました。

「性別による役割の違いを感じるか」34%。
男子がリーダー、女子がサポート役のイメージは学校が形成しているという声がありました。

【家庭でのジェンダー】

「性別による役割の違いを感じるか」49%。
家庭で性別による役割の違いを感じている人は、職場や学校に比べ多いことがわかりました。進路決定の際に差別を受けたという声もありました。

 

 

 

 

 


ユース年代の女性たちからは、議員や管理職といった意思決定をする立場になる、もしくはなりたい女性が少ない背景には、女性が働くうえでの環境や制度の整備が不十分であることや、未だに男性が物事の主導権を握り、女性がサポート役を担うというイメージがあるのではないかという意見が見られました。

少女と女性のリーダーシップをはぐくむ

学校や家庭で、女性が力を発揮することを阻まれているとしたら、少女や女性たちには周囲からの無意識のプレッシャーから解放され、委縮せず力を発揮できる場所と経験が必要です。

ガールスカウトでは、年少のころから「自分の意見を言う」「相手の話を聞く」「一緒に協力し合って物事を成し遂げる」ことを体験から学びます。例えばキャンプでは、自分たちだけでテントを立て、火をおこし、ご飯を作らないと生きていけません。そのためには、いま何をすべきか話し合って進めていく必要があります。自分自身が課題に対して主体的に取り組み、また相手をサポートする体験を通して、課題を解決するチカラを身に付けていきます。

それらのチカラは、大人の女性になったときに、自分の可能性をあきらめず挑戦し、行動を起こすことに役立つのです。ガールスカウトでは、そのような女性を多く地域社会にはぐくむことで、よりよい社会の実現を目指しています。

 

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