中学生・高校生のジェンダーに関する意識調査2024〈vol.1〉
2025年6月12日、日本のジェンダーギャップ指数が118位(148カ国中)と発表された※ことは記憶に新しいですが、ガールスカウト日本連盟においてもジェンダーに関する独自の調査をおこなっています。
※世界経済フォーラム(WEF)「Global Gender Gap Report 2025」より
2025年3月、ガールスカウト日本連盟は2024年に実施した『中学生・高校生のジェンダーに関する意識調査2024』報告書を公開しました。
「ジェンダーに関する意識調査」
ガールスカウト日本連盟では「ジェンダーに関する意識調査」を2019年から毎年実施しており、今回で6回目となります。
今までの調査では、主に女子高校生や大学生年代の女子、女子中学生・女子高校生を対象にしていましたが、今回は対象を男子にも広げ、中学生・高校生年代の女子と男子の声を集めました。
そして、2024年は「隠れたカリキュラム」にスポットを当てて分析を進め、中学生・高校生が感じていることの中には、家庭・学校などの日常生活に隠れたカリキュラムがあり、その影響を受けているのではないかと検証しました。
併せて、ユネスコなどが公表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」の8つのキーコンセプトに照らし、中学生・高校生の日常にある性にまつわる現状の中から、特に課題と思えるものを掲載しました。
調査対象:全国の中学生・高校生年代(12歳~18歳)
調査期間:2024年9月27日~11月24日
調査方法:インターネット回答 全52問(選択40問、記述12問)
回答数:1348人
中学生751人(女子522人 ※内、ガールスカウト館員277人、男子229人)
高校生751人(女子498人 ※内、ガールスカウト館員263人、男子99人)
調査に込めた想い
今回、男子中学生・男子高校生の声を聞くことになった背景には、2023年度に行った女子中高生対象の「ジェンダーに関する意識調査」があります。
「女性だから男性だからではなく、その人として見ることが大切だと思った」
「男女で分けることなく、個人として尊重される社会になってほしい」
「そのためには私たちだけが考えるより、男性の声も聞きそれぞれが感じていることを知りたい」
そのような少女たちの声を受け、ジェンダーに関する意識について女子だけでなく男子の声も聞く重要性を感じ、2024年度は両方の視点から調査をおこないました。
また、今回の調査では「隠れたカリキュラム」に注目しました。
隠れたカリキュラムとは、女子は「家庭科の授業」、男子は「技術の授業」といったわかりやすいジェンダー別のカリキュラムとは違い、性別役割意識を無意識に再生産するようなものを指します。
例えば、「整列時に男子が前、女子が後ろに並ぶ」「リーダーは男子、サブリーダーは女子」といったものです。
このような性別役割意識が長い間無意識のうちに繰り返されることで、自分の内面に「男子は女子よりも前や上にいるもの」という意識が形成されていきます。
中学生・高校生は、学校や習い事、家庭などの場面で多くの大人と接しています。
もし「隠れたカリキュラム」を無意識におこなっている大人と出会っていたら、どれくらい影響を受けているのでしょうか。気づくことができるでしょうか。
日常生活に「隠れたカリキュラム」が存在すること、影響を受けていることに気づいてほしい、疑問を持ってほしい、そのような想いを込めて「隠れたカリキュラム」を今回の調査テーマとしています。
次回は調査結果と、調査結果を受けた気づきをご報告します。