自分を好きになるワークショップに高校生が参加

わたしたちの活動#フリービーイングミー,#自己肯定感,SDG5,ジェンダー平等の実現,高校生の声

8月12日(木)・8月13日(金)の二日間、開催されたユニリーバ高校生インターンシップで、ガールスカウトは1日目のワークショップを担当しました。約185人の高校生が「Free Bring Me 大好きなわたし」プログラムを体験。

Free Being Me プログラムは目が大きい、鼻が高い、痩せているなど、「理想的な容姿 =社会で形成されている作られたイメージ」に、疑問を投げかけることから始めるプログラム。ガールスカウトは、パーソナル ビューティーケアブランドのダヴと共に提供しています。

「本当の美しさは内面の特徴にあるということを、できるだけ多くの人に学んでもらう必要があると思います。実践するためには、教育現場での特別講座を開くのが効果的だと思います。」

これは参加した高校生の言葉です。今回のワークショップでは、ルッキズム(見た目至上主義)が人に与える影響、その問題を解決する方法まで考える機会となりました。

ユニリーバ高校生インターンシップとは

まずは、今日のルールの確認からスタートします。互いを尊重して取り組んでもらうことで、安心安全な気持ちで参加できる環境を整えます。

今回のワークショップは、六つのセッションで構成。セッション後の参加者アンケートから、ぞれぞれのセッションで一番印象に残った理由の回答を一部抜粋し、Free Being Me プログラムが子どもたちの可能性を伸ばすことに役立つ理由をご紹介します。

セッションの詳細は、過去のブログ記事でもお読みいただけます。
オンラインでもこんなに体験できる「もっと自分を好きになる!」

写真から考える

”写真 加工”と画像検索すると、ほとんどが女性の写真です。最近は、SNSにも加工機能が標準で実装されており、画像加工アプリもたくさんあります。加工と言っても、少し色味を修正する程度から、目の大きさや顔の大きさを変えるものまでさまざまです。
そんな代表的な写真を表示しながら「写真を加工したことはありますか?」と質問。

画像加工ソフトで加工前と加工後の写真を見比べて意見を出し合いました。チャット機能を使い、「なぜ、加工するのか?」「加工するメリットとデメリットはなんだろう?」について、参加者から多くの意見が出ました。
加工するのは、「きれいに・かっこよく見せたい」という意見が多く見受けられました。メリットでは、明るくしたり、ピンボケを修正できたりと、写真の見栄えを調整することがあげられ、デメリットでは、「自分からかけ離れてしまう」などがあげられました。
以前おこなったワークショップでは、参加した男子学生から「加工された写真の女性を理想として追い求めてしまう。そんな女性は実在しないのに”いる”と思ってしまう。」という意見もありました。

セッションに対しての高校生の声:

  • 加工や化粧で人の顔の印象が変わるのがよく分かった。
  • 加工するのが当たり前のような感覚でしたが、一旦振り返って「どうして?」を考えることができてよかったです。
  • 普段、自分たちが気にしていることは、何なのかを客観的に考えることができました。

「美しい」のイメージを絵にしてみよう

いわゆる「プリンセス」の身体的特徴をイラストに書いてみよう。
その特徴を伝え合うワーク。

スタイルがいい、髪が長い、目が大きい、まつ毛が長い、歯が白い、色が白いなどの特徴があがりました。
では、今、あげられた身体的特徴を全て持つ人はあなたの周りにいる?
いない!!が多数です。理想の容姿の人はいないのに、なぜ、人は理想の容姿に憧れてそれを目指すのでしょうか。

Free Being Me 大好きなわたし ブラウニー編テキストより

その問いに対しての高校生の声:

  • 美しい=プリンセスというのも気になった。
  • プリンセスという同じお題に対して同じようなイメージを持っていることもあった。自分では当たり前のように感じていてしまっていた身体的特徴を発表している人もいてその違いに気付いた。
  • あまりにもステレオタイプな意識を持っている人が多いことを知って驚いた。
  • みんなが描く絵はけっこう似通っていて、どこからの影響なのだろうと思った。

ブレイクアウトセッションのあと、代表して意見を3人に話してもらいました。全員に発表してもらうことはできませんでしたが、20人以上もの参加者が手を挙げ、参加者の皆さんの気付きや思いの強さを感じました。
セッションを通じて、美しさのステレオタイプに対して疑問を感じた人もいたようです。近年、プリンセスも多様化が進んでいるにも関わらず、みんなのイメージはなぜ似通ってしまうのか考えさせられます。

わたしのロールモデル

あなたのロールモデルはどんな人ですか?と投げかけます。
自分のロールモデルの特徴を伝え、次の人にパス! どんどんロールモデルがあがっていきます。前向きな人! 思いやりのある人! 新しいことに挑戦する人など。
賛同するときは、拍手やいいね! のスタンプ。
終わってみると、あれ?憧れる人の特長に「見た目」のことが出てこないことに気が付きました。日々、気になる”自分の容姿”でも、人は人をみるときに容姿ではなくその人の行動や姿勢に憧れを抱くことが多いようです。

ブレイクアウトルームの様子

セッションに対しての高校生の声:

  • 人が尊敬や魅力的だと思うことは、外見ではなく、内面だとわかった。それほど、外見を気にする必要もなく、内面で尊敬される人になりたいと思った。
  • 「美しい」のイメージが外見的特徴であるのに対して、「わたしのロールモデル」がほとんど内面的なものだったので面白いと感じたから。
  • 内面の美しさの重要さが実感できたから。
ブレイクアウトルームの様子

実際に出たロールモデル例:

・社会問題に直接アプローチしている・だれにでもやさしい・人の良いところを見つける・視野が広い・だれにでも笑顔で接する・リーダーシップがある人・自分のことを信じる・周りの人をサポートし続けることができる人・大胆に行動するひと・周りの人にも気を使える・柔軟性のある人・どんな環境でも適応できる人・何かを極めている人

自分の好きなところを声にだそう!

ポイントは長所ではなく「好きなところ」です。
自分の好きなところなんて普段考えることがないですが、いざ考えてみると難しい。でも、他者が話す好きなところを聞いていると、なるほど!それなら、わたしここが好きかもとイメージできるようになります。長所ばかりが自分の良さではなく、短所も含め自分の存在を愛らしく感じることができるようになってきます。
そして、何よりもそれを他者が認めてくれることが嬉しくなり、どんどん自分を受容できるようになります。

セッションに対しての高校生の声:

  • 自分のことを話すのは自信がなかったが、みんな同じだということを知って安心した。またうなずきが絶えなかったので良かった。
  • 学校の友達とはこんな話ししないから、初めて会った人たちだからこそ言えたと思います。
  • 自ら自分の好きなことを他人に発することで、「自分は自分でいていいんだ」と思えるようになったから。
  • 自分の好きなところを考えたことがなく、どのようして自分の嫌いな部分をなおすべきかをずっと考えてきたが、自分の良いところに目を向ける大切さを知れた。

自分の好きなところをほかの人に伝える機会は、年齢とともに減っていきます。高校生になるとほとんどないということが回答から見て取れます。このセッションは半数近くの参加者から一番印象に残ったと回答がありました。伝えあうだけでポジティブになるこのセッションが高校生にとって、印象深いものとなったようです。

動画から考える

ダヴの動画では、自分の嫌いなところからなら言えるけど、友達のコメントを聞いて、自分らしくいることが魅力だと気付き、自信を持つきっかけになっていました。この動画を見て参加者は何を感じたでしょうか。

セッションに対しての高校生の声:

  • 他の人から自分について教えてもらうということが新しいなと思った。
  • すごく素敵な動画だと思った。いつも近くにいる友人に良いところを言われるのはとても嬉しいと思う。
  • 学生証の顔がとても変わっていて印象的だった。自分でもできることだと思ったから。
  • 自分に自信がない人でも、人からの評価を聞いてみると、自分が良くないと思っていることや、気付かないことでも、良いと認めてくれることがあり、自信が持てるのが感動した。

自分たちと同じ高校生の、なじみ深い学生証についての動画を見て、「自分ごと」としてとらえ共感し、感動したという声が多くありました。最後のふりかえりのチャットで「自分の良さは他人に指摘されることが多いし、他人のリアクションによって自分のことがもっと好きになれるので、私も他の人が自分をもっと好きになれるように手助けをしたい」という言葉がありました。

アンケートでは、ルッキズム(外見に基づく差別)の原因について解決する方法も聞きました。

  • 本当の美しさは内面の特徴にあるということを、できるだけ多くの人に学んでもらう必要があると思います。実践するためには、教育現場での特別講座を開くのが効果的だと思います。
  • 美しさの多様性や、内面や生き方の美しさにフォーカスした訴求。
  • 自分に自信を持てるようなワークをする。
  • 自分は自分、他人は他人と区別する必要があると考えます。多様性を認識する。

紹介しきれないほどのアイデアが寄せられました。今回のワークショップを通じて、多くの高校生が容姿に限らない、「あなたらしさが美しさ」であるということを体験から学び、意識や行動に変化を起こしました。これからも、ダヴとガールスカウトは、このプログラムを通じて、一人ひとりの可能性を最大限に伸ばしていきます。


2014年から、対面でおこなってきたFree Being Meワークショップは、現在はオンラインで展開しています。オンラインでも十分効果を発揮します。
このプログラムは、小学生から大人まで、学校、地域、企業の研修として実施することができます。実施をご希望の場合は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

実施実績​

世界125カ国・650万人以上が体験
日本国内では、2014年から子どもから大人までイベントや授業、企業研修などで5万人以上が体験!​ (2021年3月現在)

ダヴ協働プログラムFree Being Me