Chip Camp in広島 開催報告 part03

わたしたちの活動#STEAM,#体験活動,SDG5,ジェンダー平等の実現,ロールモデル,少女たちの声

「大学生がお手本!」

2024年4月、ガールスカウト日本連盟はマイクロン財団の支援、広島大学の協力を受けて、女子のためのSTEAM教育*事業「Chip Camp in 広島」を開催しました。

3度目の開催となる今回は、15都府県から46人の中学生が参加しました。本ブログでは、3日間の豊富なプログラムの中から女性が特に活躍した活動にハイライトし、3回に分けて報告します。

Part1を読む / Part2を読む

|実施日|2024年4月2日~4月4日
|場 所|江田島青少年交流の家、マイクロンメモリ ジャパン 広島工場
|講 師|
広島大学 大学院 人間社会科学研究科 川田和男 教授、鈴木裕之 准教授
マイクロンメモリ ジャパン 金子幸治 氏、神先幸子 氏
エンジニア 新川明迪 氏、景山理菜 氏
|ゲスト|
広島県 玉井優子 副知事 
マイクロンメモリ ジャパン ジョシュア・リー バイスプレジデント

*STEAM教育:Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsを統合的に学習する、理数教育に創造性教育を加えた教育概念

広島大学の学生がリードした実習 
人間計算機「0と1の世界」/プログラムとセンサー搭載ロボット(車)「ぶつからない車を作ってみよう」

広島大学 川田和男教授がChip Campのために開発した実習では、技術科目の教職課程にいる学生13人が、10のグループに分かれたガールスカウトたちの指導にあたりました。開催前の事前準備を経て、一人ひとりの学びの場を川田教授と共につくりあげてくれました。特に、8人の女子学生はみんなのあこがれ。さまざまな疑問や、作業に行き詰まったときに、導いてくれました。


「0と1 コンピュータの世界を体験してみよう!」では、数の表現を学んだのち、チームを組んで床に大きく張り出された論理演算回路の上に立って、2進数の人間計算機になりました。一人ひとりがゲートになり、次の人に信号を伝えると、二桁の2進数の足し算の結果が計算できます。計算と伝達を繰り返し練習して、計算の速さを競いました。

参加者は団結力を見せてみようと気合をいれて計算をスタートしました。
最後列まで伝達し、答えが出ると声をあげて盛り上がりました。
大学生たちが「私たち、完璧!」「いいね、早くなったね」とグループの成果を称え、盛り上げてくれました。


「ラズベリーパイを使って、ぶつからない車を作ってみよう!」では、まず車両の組み立てからスタート。川田先生に工具の使い方、注意点を一つひとつ丁寧に教えていただきました。
そして一つの作業の意味を説明いただきながら、ロボットを完成させていきます。

組み立てに苦戦したとき、プログラミングが通らずに間違いが見つけられないときは大学生が優しく寄り添ってくれました。
苦心の末、完成した車型ロボットをみんな嬉しそうに見せあいます。
センサーが作動し、かざした手に反応して車が止まった瞬間は、完成の喜びを分かち合いました。


最後のレクチャーでは広島大学 鈴木裕之准教授から、「みんなで力を合わせることが大事」というメッセージをいただきました。
世の中をよりよくするアイデアを10個のグループがそれぞれに考え、10個のテクノロジーアイデアが生まれたところでプログラムが終了しました。

今回の事業運営に尽力したユース年代のガールスカウトスタッフも、「テクノロジーの勉強になった」「先生やエンジニアのお話が新鮮で、知らなかったことばかり、一緒に学べてよかった」と充実した様子でした。
リアルに学び、テクノロジーを体験してみたい皆さん、次回開催をぜひお楽しみに!


ChipCamp参加者の声

女性エンジニアの方二人とも、幼少期からパソコンやプログラミングに触れてはいなかったこと、大学生になってから進路や将来の夢を決めていたことが印象的でした。

仕事場はジェンダーレスで、多様性を大切にし、相手の意見をしっかり尊重している というお話が印象的でした。

中学生に向けて「気になることは調べよう」というアドバイスが心に残りました。

今回のChip Campで、もっとプログラミングを勉強してみたいと思った。
将来は理系の仕事に就きたいと思っていたけど、今回のキャンプで技術の仕事という選択肢もあることが分かった。これからもいろいろなことにガールスカウトでチャレンジして、将来仕事を決めるときに役立てられればと思う。

行く前までは、もし大学に行くなら絶対に文系だと思っていたけど、理系の大学もとてもおもしろそうだということが分かり、すごく良い経験になりました。
今回のChip Campは新しく学べたことがとても多く、良い経験になりました。広島大学の学生の指導が丁寧でとてもわかりやすかったです。

参加者保護者の声

参加の声をかけると、とても興味を持ち当日を楽しみにしていました。人と関わることや自分を表現することに苦手意識があり、それを克服したい気持ちとの間に幾度も葛藤を繰り返してきました。今回は学びたい気持ちが自分のコンプレックスに勝ち、勇気を出して初めましての仲間の中に飛び込むことが出来たようでした。中でもパネルディスカッションで堂々とお話が出来たことをとても自慢げに教えてくれました。その姿が自信に満ち溢れ、ひと回りもふた回りもたくましくなっていました。
素晴らしい機会を下さった関係者の皆様に感謝申し上げます。今後もハイクオリティなガールスカウト企画に子ども自身が主体的に参画してくれることを願っていますし、頑張る子どもを引き続きサポートをしたいなと思いました。