Girls Going Tech in 奈良 開催報告

わたしたちの活動#STEAM,#体験活動,SDG5,ジェンダー平等の実現,ロールモデル

2025年3月、ガールスカウト日本連盟はマイクロン財団の支援、東京科学大学の協力を受けて、女子のためのSTEAM教育*事業「Girls Going Tech in 奈良」を開催しました。

*STEAM教育:Science、Technology、Engineering、Art、Mathematicsを統合的に学習する、理数教育に創造性教育を加えた教育概念

実施日|2025年3月2日(日)
場 所|なら100年会館(奈良市三条宮前町)
講 師|東京科学大学 岩附信行副理事、学生のみなさん

3月2日(日)に、なら100年会館にて Girls Going Tech in 奈良を開催しました。
6都府県からジュニア(小学4から6年生)39人が参加しました。 東京科学大学の岩附信行副理事・工学院教授と、工学部の学生がご指導くださり、岩附教授が開発したプログラムによって、ロボットを製作しました。

Girls Going Tech は小学生年代向けSTEAM教育事業として過去4回開催してきましたが、今回は初めて近畿地区での開催ということで、奈良県を中心に近隣県から多くの応募がありました。会場となったなら100年会館小ホールでは、オープニングにユース年代の指導者が奈良県のご当地ソングを披露し、開会を盛り上げました。

先生はマジシャン!?

 

岩附教授は毎回楽しい導入で、参加者をSTEAMの世界へ導いてくださいます。
「先生、実はマジシャンなんです。皆さんが心に思い浮かべた数字をこれから当てます」と、驚きの一声からスタートしました。

参加者の一人が手を挙げ、画用紙に思い浮かべた数字を書いて伏せました。
岩附教授はスクリーンに数字の並んだ表を映して「その数字はこの中にありますか?」という質問を繰り返し、参加者が思い浮かべた数字を見事に言い当てました!

一見関係性がないように見えるランダムな数字の表には、二乗の法則が隠されています。 「はい」か「いいえ」の答えによって、奇数か偶数かを判断し、二乗部分を足していくと最終的に該当する表で一番小さい数字が答えになるという仕組み。
ちょっと難しいけれどおもしろい、数学を用いたマジックからのスタートでした。

モーター振動式ロボット
「ぷるぷるホースを作る!」

プログラム「ぷるぷるホースを作る!」は、物が動く仕組みをシンプルに、そして総合的に学ぶことのできる体験型プログラムです。人間の歩行に必要なバランスや力の複雑な組み合わせを見て、確認したうえで、複雑な要素をそぎ落とし、モーターひとつでいかにロボットが動き、前進するかを視覚的に理解することができる、奥深い内容でした。

組み立ては簡単。大事なのは、脚です。
ぶるぶると回転して振動するモーターに、どのような脚をつけると、ロボットが前に進むようになるでしょうか?
「この答えはありません。実は大学に行っても、研究所に行っても、これがベストだという答えはまだ出ていないんです。みなさんがこの場で見つけてください」と、試行錯誤することを促す声がけとともに、机の上で針金の足をいろいろな方向に曲げて、ガールスカウトはより進むロボットを開発します。

レース場で競争!

完成したロボットを手に、少女たちはレース場に集まり、競争スタート。
実際に動かしてみると、全然前に進まなかったり、ずっと同じところを回転していたり、後ろに進んだり、途中で止まってしまったり、電池が無くなってモーターが動かなくなったロボットもありました。
予想外の結果に会場は大騒ぎ!
机に戻って改良し、再度レースに参戦します。

最後に全員でタイムレース。
決勝に残ったロボットから、優勝、準優勝、同着3位が決まりました。

工夫したところを心にとどめて

岩附教授が自ら作られた表彰状が授与され、「レースの勝因を教えてください!」とインタビューされました。
自慢げにロボットを掲げて、それぞれ工夫した点を発表しました。脚の向きを変えたり、重心に気を配ったり、回転に着目したり、失敗しながらも自分の手で作り上げることによって、前進するという目標を達成するためのロボットを製作し、物の動きの仕組みを学ぶことができました。

参加者全員にロボティクスバッジが授与され、教授からはおまけのゼンマイ式ロボットのお土産もいただき、盛況のうちに終了しました。今回のプログラムには数学、物理学の基礎的な考え方が実習に盛り込まれています。
「こういったロボットが誕生するには、学校の勉強が基礎になっているんだよ。」と、学校の授業の大切さも教えていただきました。


Girls Going Tech in 奈良 参加者の声

脚の折り方で速さが変わることが心に残りました。
脚を早くする方法は難しかったけれど楽しかったです。
ちゃんと進むか心配だったけど進んだので良かったです。
ロボットに算数を使うことが心に残りました
物を作るのは難しいと思ったし、すぐにこけたりして大変だったけど楽しかったです。
ロボットと学校での勉強は同じことに驚き、今日教えていただいたことを忘れずにいたいと思いました。

» ガールスカウトのSTEAM教育への取り組み