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2019年6月28日「女子高生が考える、ジェンダーバイアスがなくならない原因と解決策」院内集会を開催


6月18日(火)、衆議院第一議員会館にて国会議員を含めた興味関心を持つ100人以上の参加者を得て開催しました。
ガールスカウト日本連盟ではこの春、少女たちがジェンダーの固定観念に基づいた情報をどのような機会にどのように体験し、教育現場でどのような影響を受けているのかを明確にするため、全国の女子高生を対象に調査をおこないました(2019年3月23日~4月21日実施、524人回答)。「調査に回答してくれた女子高生の声を社会に届けよう!」と、高校生8人と大学生2人が集結。回答した女子高生の代表として調査結果の考察と解決策を発表しました。

100人を超える国会議員や一般の参加者のみなさん

100人を超える国会議員や一般の参加者のみなさん

自分のジェンダーバイアスに気づくワークショップ

あるストーリーを読み上げ、登場人物が男性か女性かを考えるというもので、自分の中にある無意識のジェンダーバイアスに気づいたという人もいました。

調査結果の概要報告

続いて調査責任者であるガールスカウト日本連盟の河合千尋委員長による、調査概要の報告をおこないました。

主な調査結果

・6割の少女は普段の生活で性的な嫌がらせや性差別を経験している
・5割の少女はメディアでは男女平等に描かれていないと感じている
・「性差別的なからかいがある」「女性政治家が少ない」「飲酒や服装が理由でレイプや性暴力の責任が女性にあると言われる」「女性の指導者は発言内容ではなく、服装や外見で判断される」などは、少女・女性の扱いが男性に比べて公平でないことに関係している
・学校での役割は、理想では男女ともに担うのがよいと考えている人が80~90%いるにも関わらず、現実には男性が担っている場合が多い。(校長先生は男性81%女性1%、生徒会長は男子32%女子9%)
・イギリスのガールスカウトが実施した同様の調査結果と比較すると「何が男女差別なのかが分からない」女子高生が多い

調査報告書ダウンロード

ストーリーを聞いて登場人物の性別について考えるワークショップ

ストーリーを聞いて登場人物の性別について考えるワークショップ

手元のデータを熱心に見ながら、概要説明に耳を傾ける参加者

手元のデータを熱心に見ながら、概要説明に耳を傾ける参加者

調査結果を見て自分たちが考えたこと、友達に聞いた意見を発表

調査結果を見て自分たちが考えたこと、友達に聞いた意見を発表

高校生・大学生による具体的事例の報告

発表者の10人は、「女子高校生の声を社会に届ける」ために、調査結果の数字の持つ意味を考えたり、友達に意見を聞いたり、関連する事柄を調べたりして次のように報告しました。

1. 日常生活の性差別や性暴力
“61.6%の高校生が「どこかで見たり経験したりしている」”

特に多かった場所は「メディア」「インターネット」「公共の場所」。 高校生たちがどのような経験をして何が問題だと思っているか、実例を挙げて提示しました。

・テレビで女性を映すとき、女性の足元から顔までをゆっくり映したり、短いスカートの足元からのアングルで映したりする
・Twitterでアカウントが女性だと分かるとフォロワーが増えたり、メッセージがたくさん届いたりして身の危険を感じ、女性であることを隠すことがある
・電車での痴漢やエスカレーターでの盗撮の被害がある
・「女の子なのだから自覚を持った振る舞いをしなさい」と先生から注意を受けたことがある

2. 少女や女性に対する扱い
“女子高校生の半数以上が「メディアは男女を平等に描いていない」と答えている”

・テレビ番組ではメインの司会者は男性が多く、女性はアシスタントである場合が多い
・女性アナウンサーや女優は容姿を重視されている
・ニュースでは男性スポーツの方が大々的に報じられる
・女性が被害者の事件では女性側が責められることがある
・可愛くないと評価されない

これらのことから、「成功している人は、容姿ではなく自分に自信があるからいろいろなことに挑戦できるし、挑戦するとさらに自信がつく。けれども多くの女子高校生たちは自分の容姿について、メディアが発信していることに影響を受け自信が持てなくなり、いろいろなことに挑戦できないということにつながり、挑戦できないともっと自信を持てなくなるという負のスパイラルにおちいるのではないか」という意見を発表しました。

3. 学校生活にあるジェンダーバイアス
“学校での役割分担の理想と現実に大きな差がある”

校長先生に関しては、男女同等の割合で担うことが理想と90%以上が答えたのに対し、現実には80%が男性でした。このことから、女性の校長先生に会う機会が少ないと「校長先生は男性がするのが当たり前」と思ってしまうという現状があると報告しました。 生徒会長に関しては、「現実に男性も女性も同じぐらいいる」と答えた人が53%いたことに対し、「女の子もリーダーになりたいと思う人が多くいる」という着目点を紹介しました。

4.進学とジェンダーバイアス
“4年生大学に進学しない、理系に進学しない理由”

調査では「4年制の大学に行かなくて良いと言われたことがない」90%、「女子は数学や理科ができなくてもよいと言われたことがない」89%という結果でしたが、実際は、女子の4年制大学進学率は49.1%であり、理数系では、男性に比べ6.8ポイント低くなっています(平成29年度学校基本調査より)。

・「地方では未だに言われる」「祖父母から言われる」との声があった
・大学院進学を希望した友人の5人中4人が「この先良いことはない」「結婚できなくなる」という言葉を親から受けた
・理数系教師の男女比に差がない学校は男女の理系進学にあまり差がなく、理数系の教師に男性が多い学校は男女比が偏る
・理系で働いている女性の姿を目にする機会が少ないために仕事内容が分からず、将来の選択肢に入らないのではないか。

これらのことから、中学生くらいの早い段階で、教師の男女比や進路選択の際の声のかけ方、理科や家庭科の授業中での分担など、無意識に受けている役割分担の固定観念をなくしていくことが大事ではないか」という意見を発表しました。

5. 日英比較

イギリスのガールスカウトがおこなった同様の調査と今回の調査を比較しながら考察しました。
普段の生活の中で性的な嫌がらせや性差別を経験する頻度は、イギリスの方が日本より高いという結果でした。日本の回答では「分からない」が多くみられます。「分からない」と回答することは、「質問内容が日常の中で当たり前になってしまい、性差別だと疑わない」「ジェンダー平等に対して意識をしたことがなく、深く考えたことがない」という少女が多いからではと推察しました。同時に、イギリスでの「ジェンダー」に関する取り組みを紹介し、日本でもこういった取り組みが必要ではないかという意見を発表しました。

解決策の提案

解決策を提案する女子高生ガールスカウト

調査結果を踏まえ、現状の解決に向けて動き出すための案を提案しました。

企業の皆さんへ

・女性リーダーを増やしてください
・男女共に、家庭・育児と仕事が両立できるようにしてください
・職場で男女が平等な評価や対等な扱いを受けられるようにしてください

国会議員の皆さんへ

・女性の政治家を本気で強制的に増やしてください
・女性議員の活躍とそれを受け入れる男性議員の姿を国民に示し、国民に模範の姿を示してください
・日本で何ができるのか、欧米諸国の事例を学んでください

メディアの皆さんへ

・制作するときに、人を傷つけていないか、もっと厳重にチェックをしてください
・メディアの発信が人々の無意識の価値観を作るという影響力の大きさを自覚し、ジェンダーに配慮し、偏ったイメージを流さないでください
・男女バランスよく報道してください

学校の先生へ

・学校が「無意識のジェンダーバイアス」の刷り込みの場となっていることを解消するため、男女を平等に扱う研修を先生が受けるようにしてください
・子どもたちが無意識にもっている性別による役割分担の意識を変えるため、生徒が性差別について学ぶ機会をつくってください

男女関係なくすべての方へ

・男女平等といいながら、実際にはそうでない社会の現状を意識し、自分の中に固定観念がないかを確認してください

女性たち・高校生の女の子へ

・おかしいと思ったことを、勇気を出して声に出そう
・自分の可能性を信じて、挑戦しよう

ガールスカウトへ

・少女や女性の差別を減らすためのプログラムをもっと実施して、ガールスカウトから発信し続けよう
・声を上げよう! Speak out!!

高校生と参加者が直接対話して意見を交換

高校生と参加者が直接対話して意見を交換

意見交換の内容を数名の参加者から発表していただきました

意見交換の内容を数名の参加者から発表していただきました

ジェンダー差別を止めよう!アピールする発表者たち

ジェンダー差別を止めよう!アピールする発表者たち

最後に

「私たちの世代が、今、この問題に取り組めば価値観は変わっていき、私たちが大人になったときには、今の当たり前がもう当たり前ではなくなります。そのためには、今、一緒に声を上げる、そして、行動を起こすことがとても大切です。」と伝えました。

女子高生たちからの解決策の提案を受けて、参加者にも解決策について意見交換をしていただきました。
「家庭内で、子どもに性別に関わらない生き方について教育していくということが大事なのではないか」「生徒会長が男子と女子両方いても良い。意思決定が男子だけではなくて女子もするということを教育の場で実現することが必要」といった発言がありました。

SDG5

他にもアンケートでは、「ワークショップで自分の中のジェンダーバイアスに気づけた」「日英比較では、日本のジェンダーに関する意識がイギリスとは異なることがわかった」「若い年代での教育が大事だ」と言った声が寄せられました。

今回の調査結果報告は、後日あらためて公開します。

ガールスカウトは無意識のジェンダーバイアスに気づくためのプログラムを持っており、少女と女性に対しての啓発教育をしています。今後も少女と若い女性の声を社会に発信し続け、少女や女性の周りにある差別や暴力を減らせるよう社会へ働きかけていきます。

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